メガネの知識事典

ぶつけて出血した時は安静に

ぶつけて出血した時は安静に

ぶつけて出血した時は安静に


出血と聞くと不安になるかもしれませんが、目に限らず、打撲で内出血を起こすのはごく普通の症状です。

まして、出血をしてもちゃんと見えてるし、視力に異常が無いというのであれば、まず心配ありません。

出血はたいてい一週間~10日間で跡形も無く吸収され、目に打撲の傷跡が残ることはありません。

ところが、見づらくなったり、見えなくなってしまった場合は問題です。

というのは、目の内部に出血していることが多いからです。

眼球内の出血には、俗に言う茶目(虹彩。人種によっては青目の場合も。)といわれる部分からの出血がよく見られ、この部分は炎症を起こしやすいのです(虹彩炎)。

たくさん出血した場合には、黒目の下方に出血がたまっているのがわかります。
これは眼球の中でも外側の方の出血なので、安静にして冷やしていれば、普通はだんだん吸収されていきます。

これが大出血だと血液が眼球内で固まってしまい、自然に吸収されないばかりか、緑内障を起こしてほとんど見えなくなってしまうので、手術が必要になる場合もあります。
また、眼底など眼球の奥の方の出血では吸収が遅れることがあります。
いずれにしろ、出血した時はこれ以上出血しないように安静を保つのが大切なのです。

網膜剥離


眼底に裂け目ができると大変!
目の打撲では網膜に裂け目ができることがあります。
眼底の中心である黄斑部に穴があくこともあります。
これを黄斑円孔といいます。
黄斑部の中心である中心窩は視力が一番良い部分ですので、ここに穴が開くと見ようとする所が見えなくなり、視力も0.1ぐらいに落ちてしまいます。
いったん黄斑円孔が起こると回復はしません。

眼底に裂け目ができると、網膜剥離の原因になります。
また、網膜がむくむ網膜振盪という病気を起こすこともあります。
網膜剥離は手術が必要ですが、網膜振盪は手術しないで治ります。

目を打撲した後、一つのものが二つにダブって見えることがあります。
これを複視と言います。
複視がしばらく続く場合は要注意です。
これは目の筋肉やその筋肉を動かす神経に異常をきたしている証拠ですから、眼科の診察が必要なのは言うまでもありません。
これらの異常は薬で回復できることもありますが、手術が必要になるケースもあります。

目の骨折


目のまわりの骨折はピンチ!
目を打って、目の周りの骨が骨折することがあります。
眼窩(眼球が入る頭蓋骨のくぼみ)と頭蓋骨の間にある視神経管(眼窩の奥にある視神経が通る骨のトンネル)を骨折すると骨が視神経を圧迫して視力が非常に悪くなります。

こうした視神経管の障害は、まゆ毛の外側の部分を強く打ったときによく起こります。
視神経管が骨折してなくても、視神経のまわりが腫れて視神経を圧迫することもあります。

視神経管を骨折しているかどうかは、レントゲン検査でわかります。

骨折している場合は、手術をして視神経管を圧迫している骨を取り除く必要があります。
骨折してなければ、むくみをとる薬や副腎皮質ホルモンの点滴で治療します。

また、眼窩の眼球の下にあたる部分が骨折することがあります。
この部分は骨が薄く非常に弱いので「人の肩にぶつかった」という程度でも折れてしまうことがあります。
すると、眼球を動かす外眼筋やまわりの組織が骨折の穴に落ち込んでしまいます。

そのため、上を見るときに下の方がつっかかって動かなくなり、見ようとするものが二つに見えます。
こういう時はすぐに診察が必要です!

図解・目の仕組み