メガネの知識事典
疲れ眼に休息を正しい目薬の使い方
目薬イロイロ適材適所
目薬は、気軽に使われることも多く、また長期間使用している人も見かけます。
しかし、どんな薬でも症状のあるときのみ正しく使ってこそ効果があるものです。
目薬は大きく分けて…
- 病原体を抑える。
- 炎症を抑える。
- 瞳の大きさを変える。
…の3種類に別れます。
病原体を抑える目薬
細菌やウイルスの感染に対して病原体を抑える目的で使われます。
様々な種類があり、感染源となる細菌の種類によって適正な抗生剤が選ばれる必要があります。
手術のあとは細菌感染を防ぐ目薬や結膜炎、ものもらい、涙のう炎などに使用されます。
一般に、流行り目などのウイルス性の結膜炎に効く薬はありませんが、細菌の混合感染を防ぐ意味で使われることが多いようです。
また、ウイルスの中でヘルペス製の角膜炎に対してはIDUという特効薬があります。
炎症を抑える目薬
炎症を抑える目薬で代表的なものは副腎皮質ホルモン(ステロイド)です。これはアレルギー性や感染以外の炎症に対して、大変効果の優れた目薬です。
しかし、副作用も強いため緑内障の可能性のある人に緑内障を誘発させたり、角膜ヘルペスやカビによる角膜炎を悪化させることがありますので、必ず眼科医の指示に従って使用する必要があります。
瞳の大きさを変える目薬
目薬が瞳を縮めたり拡げたりする筋肉を支配する神経に作用して、大きさが変わります。大きくする目薬には〝アトロピン〟〝ミドリン〟などがあり、虹彩炎の時に虹彩の働きを止めて、安静させる目的で使われます。
また、瞳を大きくする目薬は毛様筋という目の中の筋肉の緊張をほぐして調節を休ませる作用があり、子供のように調節力の大きな場合の屈折検査には、アトロピンを4~5日点検してから正確な検査を行うこともあります。
眼底検査に使われる〝ミドリン〟は〝アトロピン〟よりも作用が弱く、3~4時間で瞳の大きさが戻ります。緑内障の可能性のある人の一部では発作を引き起こす場合もあるので注意が必要です。
瞳が小さくなる目薬には〝ピロカルピン〟といって緑内障に使われるものが代表的です。眼圧は夜間から明け方に上昇するので、寝る前の点眼が効果的です。点眼だけで眼圧がコントロールできる人も少なくありません。
その他、眼の表面麻酔薬、白内障の予防薬、涙の少ない人の涙を補う目薬など、様々な種類があります。
目薬は正しく使いましょう
薬はどんな薬でも、合う人と合わない人が居ます。また、診察を受けないで薬だけ長時間使用することは避けましょう。
病院を変える時には、必ず前の病院で処方されていた目薬をお持ちになって下さい。
どのような薬をどの位の期間使っていたか等が、診断や治療の助けになることもあります。